★敷金・礼金?保証金・敷引きって何?…地域による違いとは

部屋を借りるときには、さまざまな初期費用が必要です。そのなかでも、敷金や礼金は多くの人が知っている言葉でしょう。しかし、地域によっては「敷引き」や「保証金」という聞き慣れない言葉を耳にすることも…。

これらの初期費用の内容については「払うのが当然だろう」とあまり意識しないかもしれませんが、違いをしっかりと知っておけば後からのトラブルを防ぐことにつながります。

◆「敷金・礼金」「敷引き・保証金」とはどんな意味合いのもの?

これら違いについて、簡単にお伝えしていきます。

◎入居するタイミングで預けるお金が「敷金」

賃貸借契約を結んだときに、支払うお金を敷金といいます。基本的には「預ける」という意味合い、いわゆる「担保」です。

大家さんとしては、入居後の家賃滞納は不安なことです。滞納している時点でお金を支払えない事情があるので「回収できない」という問題が起こります。そのため、あらかじめある程度の額を預かっておき、「未払いが起きたらここからもらいます」と契約時に預かっておくのです。

また、借りた部屋は基本的に「借りる時点の状況にして返す」という原状回復の義務があります。部屋の汚れや傷、修繕の必要があれば、退去時に敷金から修理費用を支払うことになります。

滞納や修繕費用などがまったくかからなかったときであれば、敷金は、最終的に「退去するときに返還される」という類のものです。

◎大家さんへのお礼の「礼金」

礼金は、昔からのしきたり的な意味合いが強く、「大家さんへのお礼」です。お礼として支払うので、退去するときには戻ってはきません。

◎敷金と同じ意味合いの「保証金」

保証金は、敷金と同じ意味を持つ「預け金」です。基本的には、賃貸借契約を解消するときに、「修繕費用などを差し引き返します」という内容を持ちます。

◎退去時に戻ってこない「敷引き」

敷引きという名目で初期費用がかかる場合、保証金や敷金など預けているお金から決まった額が退去時に差し引かれることになります。

例えば、家賃6万円の物件で「保証金3か月分=18万円、敷引き2か月分=12万円」という内容であれば、退去時に敷引きの分の12万円は返ってこないのです。

◆地域によって表記が異なる

「敷金・礼金」とセットで覚えている人の方が多数派でしょう。しかし、関西や九州地方の一部では「保証金・敷引き」とセットで使われることが多いようです。

「敷金」と「保証金」については意味合いが同じなのですが、これに「敷引き」が加わることによって、返却される金額に相違が生じてしまうかもしれません。

引越しエリアが変わるときには、このように初期費用のルールが異なることを想定しておかなければ、混乱したりトラブルになったりするので注意が必要です。

◆まとめ

預けるお金、返還されるお金など、いろんな意味が含まれていましたね。「入居したばかりだから退去時のことは深く考えない」というのではなく、聞き慣れない言葉が出てきたときには、遠慮せずにしっかりと質問し、トラブルを防ぐことが大事です。